ディジタル著作権

ここでは、「 ディジタル著作権」 に関する本を紹介しています。
ディジタル著作権ディジタル著作権
(2004/03/16)
名和 小太郎
価格:¥ 3,675 (税込) 1500 円以上国内配送料無料
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電子環境の著作権問題を、法律の論点だけでなく著作権にかかわる思想、規範、慣行、技術、システム、ビジネス、公衆の行動など各論として整理。複雑なテーマを背景に立ち戻って説き、著作権制度の近未来を予想する。

商品の説明 (本文「はじめに」より)
本書は、電子環境の著作権について、法律、思想、規範、慣行、技術、システム、ビジネス、そして公衆の行動など、この事象を理解する上での重要事項を取り上げ解説する。複雑な著作権事情を判りやすく論じた意欲的な試みであり、本テーマにおける日本有数の著者の書き下ろしたこの書物は、正に必読の一冊と言えよう。
第I部において、著作権の理念、歴史、構造を示す。具体的には、まず、日常語の世界で、著作権がどのように理解されているかを示し、ついで、著作権制度の歴史と構造とを要約し、くわえて古典的・正統的な制度の骨子を紹介する。
第II部では、著作権制度がディジタル技術と市場経済によってどのように変質しつつあるか、さらにその保護領域をどのように拡張しているかについて、その入り乱れた状況を整理する。
第III部では、技術主導、市場優先の環境のなかで、現行の制度が社会における他の理念とどのように調和/衝突するのかを指摘し、著作権制度の近未来の姿を予測する。
「私が読者に訴えたいメッセージは二つである。第1は、現在、俗人と法律家あるいは著作権事業者とのあいだには、著作権の理解について大きい格差が生じてしまったことである。これはあってはならないことだろう。なぜならば、著作権は一つの法律であるにとどまらず、文明のあり方と深いかかわりをもつからである。私はここにこだわりたい。
第2は、現行の著作権制度は行き詰まるだろうということである。それは現在、あらゆるディジタル化した知的財産――磁気媒体、電波、ケーブルのいずれで流れようとも――を呑み込もうとしている。……その結果、複数の著作権制度が実質的に競合するようになるはずである。二重標準の時代が到来する。とすれば、私たちは強靱な意識をもたなければならない」

目次
1 理念・歴史・構造
 ・日常語による定義
 ・著作権制度の歴史
 ・著作権制度:正統派の理解
2 再構築
 ・囲い込む、囲い込めない
 ・芸術的作品の著作権
 ・機能的作品の著作権 ほか
3 多元化
 ・ネットワーク上の著作権
 ・ビジネス・モデルの変質
 ・ユーザー主導の動き ほか

カスタマーレビュー

口コミ評価・比較著作権問題に興味のあるひとなら必読
学術書なので、とっつきは悪いかもしれませんが、著作権問題に興味のあるひとなら必読だと思います。著作権をめぐる議論は、得てして特定の派閥や立場を擁護する内容になりがちです。
しかしこの本はかなり意図的に「あれの制度はいい」「この制度は悪い」といった価値判断を避け、従来の著作権制度が現状(とりわけインターネット)とどのような点で齟齬を来たしているのかを丁寧に説いています。「いまの著作権制度って何かヘンだよなあ。でもどこがヘンなのか判らないんだよなあ」と感じているひとが読めば、かなり疑問が氷解するはずです。

口コミ評価・比較良い本です
この分野の本は、海外の制度(しかも大抵はアメリカ)を紹介しただけだったり、勝手な思い込みから大風呂敷を広げていたり、総花的に問題を拾っただけだったり、となかなか良書が少ないのですが、本書は違います。デジタル化、ネットワーク化が進展する中での著作権制度の課題を、法律、判例、技術の正確な理解に基づきながら、独自の視点から冷静に分析しています。筆致が柔らかで文章が読みやすいのも好感が持てます。

口コミ評価・比較背景と将来像について勉強になります
著作権の成立過程を追いながら、背景を検証して、最終的には著作権処理の将来像を提起している。なんと言ってもこの「提起」が貴重だ。前例主義に重きを置く(と感じられてならない)、解釈論中心の法律家にはできないアプローチだと思った。たしかに理科系出身の著者が法律解釈を検証するところがすでに異色である。しかし私には内容が理解しやすかった。おそらくそこには「基準が明確な、デジタルな判断」があるからだろう。
取り組み方もさることながら、定義不明な法律文には「意味不明」と言い放ち、自分の言葉(「ディジタル化」「俗人」「切って捨てる」「この技術の味噌は」「在来」)で説明をしてくれるところは読んでいて頼もしい限り。
著者はデジタル著作権に関する認識が、関係者とそれ以外で大きくずれていることを憂慮しているので、中古ゲームソフトの販売やデジタル著作物のネット流通などに興味がある方で、どのような背景や議論がなされているかを知りたい方には是非読んで欲しい。問題は私たちが著作物という「情報」を対象としているのに、「所有権」あるいは「財産権」などという概念にとらわれていることにあるのかもしれない

口コミ評価・比較集大成
現在の複雑な著作権法は、法曹界でも別領域の専門家では追い切れないといわれる。本書は、日本の著作権法の根底にある思想をつかみ出して明晰な解釈を提示する画期的な仕事であり、著者の長年にわたるさまざまな主張が一冊に凝縮されている。プログラマー出身の著者は、法律をプログラムとして理解しているのかもしれない。ある法の意図はどこにあるのか、それを別の条項と組み合わせるとどのように動作するのかという機能性は、考えてみればプログラムであり、著者にはすらすらと応用できるもののようだ。現著作権法のわかりにくさは、もとのプログラムに異様な量のパッチと拡張機能を背負わせた状態からきているとあらためて感じさせられる。晦渋な条文も、核をとらえて「わかる日本語」に言い換えることができるこの人の能力は、やはり例外というべきだろう。ここで示された解釈はある面できわめて大胆なものを含んでおり、いっそうの検討を必要とする課題もあえて提示されている。それら諸問題のあわいを歩き通す足取りはみごとに明快である。

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